短足の猫といえばマンチカン!ですが、他にも足の短い猫がいます。
マンチカンに次いでミヌエットは大人気。他にもキンカロー、スクーカム、ジェネッタ、ラムキン、バンビーノ、ミンスキンも愛らしい姿からファンは多いです。
今回は、短足猫って本当に健康なの!?と疑問に思われている方に向けて、遺伝子のお話をしたいと思います。

短足猫がかわいそうだと言われている訳
短足猫に対して「かわいそう」「奇形だ」「骨軟骨異形成を発症してしまう」「死産が多い」「ヘルニアの可能性が高い」などという声はあがります。
しかし、事実と異なる部分が多いのです。
短足猫の歴史 奇形猫だから?
短足猫の歴史のはじまりは1944年のイギリス。突然変異で生まれた野良猫の足が、とても短かったのです。その後、他国でも短足の猫が報告されています。
月日は流れ1983年、アメリカ・ルイジアナ州で暮らしていた短い足の母猫が子供を出産しました。その子猫の約半分は、足が短かったと言われています。
足の短さが遺伝することが分かり、そこから本格的なブリードがスタートしました。その後大人気となったのが「マンチカン」です。
そんな突然変異的に発生した短足猫に対して、「奇形だ」「遺伝子疾患だ」と様々な意見が飛び交いました。
しかし、足が短いからといって、何か特有の病気や症状がでることはなかったのです。

短足猫は骨軟骨異形成症だから?
骨軟骨異形成症(OCD)とは、軟骨に症状のでる遺伝性疾患です。
この遺伝性疾患の代表猫種が、折れた耳が特徴のスコティッシュフォールドです。スコティッシュフォールドの折れ耳猫はこの遺伝子を保有しており、症状のレベルは違いますが約100%発症すると言われています。
しかし、足の長さと骨軟骨異形成症の相関は現在見つかっていません。しかも短足猫の発症割合もかなり低いのです。
ペットの実家では、安心してご家族様にお引渡しができるように、遺伝子検査会社と提携しています。

短足猫は椎間板ヘルニアになりやすいのか?
「ダックスフンドのように足が短いのであれば、ヘルニアになりやすいのでは?」とマンチカンは懸念され続けていました。
しかし、短足猫が椎間板ヘルニアになりやすいということは今のところ実証されていません。
ペット保険会社アニコムが提示している情報をみても、短足猫の関節炎および、歩行異常/跛行/四肢の痛み(原因未定)に対しての保険金請求割合は他の猫種とみても、大きく違いがあるかと言われればそうではありません。
実際にぴょんぴょんと飛び回る姿がSNSでよくアップされています。
ダックスフンドはなぜ足が短い?
「軟骨異栄養症」を発症する遺伝子が関係しています。人間でいう小人症と同じ病名で、成長が途中で止まってしまう遺伝子です。この遺伝子が椎間板ヘルニアの発症を促していると言われています。

成長過程が分かるのは、ペットの実家で迎えるメリット。
短足猫は死産してしまう?
短足猫は、「致死遺伝子」が関係しています。この遺伝子を両親から受け継いだ場合、体内で死亡・吸収されてしてしまうのです。
短足猫はみな、この致死遺伝子を保有しています。

よって、不運な猫ちゃんを増やさないためにも短足猫同士の交配は推奨されていません。
つまり、適正な繁殖(足長×短足)(中足×短足)を行えば、死産を防ぐことができるのです。
おわりに
いかがでしょうか。
短足猫はその独特の姿から批判の的になっていることも事実です。
しかし、データや実際の短足猫をみて思う事は、どの猫も愛らしく元気であるということ。
私たちが注意しなければならないことは、致死遺伝子の関係から両親をしっかりとみて、お迎えすることではないでしょうか?
