「優良なブリーダーに巡り合えるか不安」「迎えたあとに孤独になりたくない」子犬を迎え入れたい方へ、7つのブリーダーに対する確認事項をお伝えします。
「悪徳ブリーダー」は分かりやすい
・鼻をツンとつく悪臭が漂う犬舎。
・糞尿で毛が汚れている親犬。
・冷え切った倉庫にいる子犬。
このような劣悪な環境で飼育されていれば、多くの人が「劣悪だ」と感じるでしょう。
しかし、本当に難しいのは見た目には問題がなさそうなブリーダーを見極めることです。
実際には、「悪徳ではない=優良」と考えられたり、そのように紹介されたりするケースも少なくありません。
そのため下記のご相談のように、あとになって問題に気づくことがあります。
「お迎え当日、家に着いてから肩が上下しており、呼吸がおかしいことに気付きました。
翌日病院に行くと、先天性の心臓病と診断されました。獣医師からは『ブリーダーが気付いていないはずがない』と。
その後ブリーダーとやりとりをしましたが、保障対象外の一点張りで。
清潔な犬舎で、家も、親も見せていただきました。しかも、厳選した優良ブリーダーとして登録されていたんです。私は、どうしたらよかったのでしょうか。」
上記と同じような相談が、弊社のInstagramに多数寄せられています。
この方々の共通点は、「優良ブリーダーから迎えられた」と思っていたこと。
優良ブリーダーが毎日そのワンちゃんを見ていていて、本当に心臓病に気づいていなかったのでしょうか。

もちろん、ブリーダーが本当に気付いていなかったケースもあるでしょう。
その真実は当事者にしか分かりません。
だからこそ、子犬を迎える前に知っておいてほしいことがあります。
一つ目
犬を大切に育てていることと、ご家族様への対応が誠実であることは、必ずしも同じではないということ。
ブリーダー直販では、ワンちゃんの情報の多くをブリーダー自身が握っています。そのため、誠実な説明が行われなければ、病気の有無だけではなく、トイレを覚えられないといったの生活上の不利が十分に伝えられないまま販売契約が行われる可能性があります。
二つ目
ハンデのある子犬の家族を探せる場が、ブリーダーにはほとんどないということ。
さらにそこに、法律上の飼育頭数の制限や、光熱費やフード代の上昇があり、ハンデのある子を長く手元で育て続けることが難しくなっているのです。
優良ブリーダーの見分け方
だからこそ、ご家族様自身がブリーダーを見極める視点を持つことは欠かせません。
一方で、それだけで全てのリスクを防ぐことはできません。
病気や生活上のハンデなど、購入前には確認しきれない情報がたくさんあるからです。
だから私たちは、見極め方をお伝えするだけでなく、ブリーダーが正直に説明しやすい環境そのものをつくることが大切だと考えています。
本記事では、ご家族様自身が確認できる「見極める7つの視点」と、ブリーダーが誠実であり続けられる「仕組み」の両方について解説します。

優良ブリーダーを見る7つの確認事項
1 動物取扱業【販売】の登録がされ【責任者】が在籍しているか
ブリーダーは第一種動物取扱業という許可を保健所に登録する必要があります。
しかもこの許可は、販売・展示・訓練・保管など種類が分かれていて、ブリーダーに必要なのは【販売】の登録です。
さらに見落とされがちなのが、その施設に動物取扱責任者が今もちゃんと在籍しているか。許可だけで安心せず、「今も、誰が責任を持っているか」まで確認するのが大切です。
退職や離婚が理由で「責任者がいない」というケースは意外と多いです。

2 遺伝病を排除しているか
「この犬種だから仕方ないですね。」
獣医師からそう言われる病気の中には、繁殖前の取り組みで発症リスクを下げられるものがあります。
例えばトイプードル。プードルの22%が失明の可能性がある、進行性網膜萎縮症の遺伝子を保有しています(キャリアとアフェクテッドの合計)。この遺伝病は、両親への検査で繁殖前に防ぐことができます。※1
それだけではありません。ペット保険のアニコム損害保険株式会社と、理化学研究所の共同研究チームが行った調査によると、0歳のトイプードルの約7頭に1頭が膝蓋骨脱臼(パテラ)を発病していることが分かったようです。この割合は年齢とともに増えるため、生涯で見ると発症する子はさらに多くなります。
しかし、トイプードルだから仕方ないわけではありません。ブリーダーにより発病率の実績は違い、全年齢でも100頭に1頭程度しか膝蓋骨脱臼と診断されていない実績を持つトイプードルブリーダーもいます。
同じ犬種でも、どのような親犬を選び、どのような考えで繁殖を行うかによって、その後の健康状態には大きな差が生まれるのです。ブリーダー選びは子犬を迎えた後の生活を大きく左右すると言えるでしょう。
優良ブリーダーは、遺伝子検査の結果や親犬の健康状態、そして「なぜこの組み合わせで交配したのか」といった質問を隠さず、丁寧に説明してくれます。
説明できることと説明しようとする姿勢。その両方を見ることが、優良ブリーダーを見極める大切なポイントの一つです。
遺伝子検査結果の見方 劣性遺伝の場合
クリア(ノーマル)
発症リスクとなる変異遺伝子を持っていない状態。自身が発症することはなく、子犬にも変異遺伝子を引き継ぎません。
キャリア
変異遺伝子を1つだけ持っている状態。自身は発症しませんが、繁殖させた場合、子犬にその変異遺伝子を引き継ぐ可能性があります。しかし、キャリアとクリアでの繁殖の場合、子は発症しません。
アフェクテッド
変異遺伝子を2つ(両親からそれぞれ1つずつ)持っている状態。将来的にその遺伝病を発症する可能性が非常に高いです。

3 親犬は清潔か
親犬の毛が糞尿で汚れたままになっている。
皮膚が赤くただれ、毛玉だらけになっている。
もし、自分が迎えた子犬の親がこの状態で子育てしてくれていたと知ったら…言葉にできない無力感が込み上げてくるでしょう。
親犬の清潔さは、感染症や皮膚病のリスクだけでなく、日頃からどれだけ丁寧に健康管理されているかを知る手がかりにもなります。できれば、皮膚や毛並みの状態まで確認できると安心です。
※授乳・育児のために母親を丸刈りにしていることがあります。可愛らしい見た目とは言い難いですが、清潔さを第一にしている証拠です。
一方で、「親犬を見せてもらえなかったから悪徳ブリーダーだ」と判断するのは早計です。
出産直後や子育て中の母犬は、とても神経質で体力も落ちています。その時期は、できるだけストレスを与えないよう、人との接触を控えるブリーダーも少なくありません。
さらに、お客様が服や靴を介してウイルスや寄生虫を持ち込み、母犬から子犬へ感染が広がるリスクもあります。
そのため、親犬を直接見せず、写真や動画、オンライン見学などで様子を伝えるブリーダーもいます。
大切なのは、「見せるか、見せないか」ではありません。
親犬の健康状態や飼育環境について、納得できる説明と確認方法を用意してくれるか。
それも、優良ブリーダーを見極める大切なポイントです。

4親犬とブリーダーに信頼関係はあるか?
子犬が最初に出会う人間は、ブリーダーです。そのブリーダーと親犬の関わり方を、子犬はよく見ています。
親犬がブリーダーを信頼し、安心して接している環境で育つ子犬は、人に対しても安心感を持ちやすいと考えられています。
そのため、子犬だけを見るのではなく、親犬がブリーダーにどのように接しているかも確認してみましょう。
ブリーダーの姿を見るとしっぽを振って近寄るのか、それともおびえて距離を取るのか。
その何気ない様子から、親犬が普段どのように接してもらっているのかが見えてくることがあります。
多くのご家族が迎えたいのは、人とともに暮らす家庭犬です。
だからこそ、親犬とブリーダーの関係性も、優良ブリーダーを見極める大切なポイントの一つです。

5 珍しい毛色を追い求めていないか?
最近は、淡く薄い毛色の小型犬が人気です。
ペットショップでも、薄い毛色のワンちゃんが高額で販売されているのを目にすることがあります。もちろん、珍しい毛色だからといって、それだけで問題があるわけではありません。
しかし、人気や希少性だけを優先して繁殖を繰り返すことは、犬種によっては健康面への影響が懸念されるため、推奨されていません。犬種によっては、特定の毛色がスタンダード外とされていたり、健康面への配慮から慎重な繁殖が求められていたりします。
だからこそ、ご家族様にも、その犬種のスタンダードを知っていただきたいと思います。JKC(ジャパンケンネルクラブ)では、犬種ごとの標準的な毛色や体型などが公開されています。
「人気だから」「珍しいから」ではなく、その犬種らしい健康的な繁殖が行われているか。それも、優良ブリーダーを見極める大切なポイントの一つです。

6 母犬を一頭の犬として大切にしているか?
「何回出産していますか?」
優良ブリーダーを見極めようとして、この質問をする方は少なくありません。母犬を守るために大切なポイントです。しかし、出産回数だけで優良ブリーダーかどうかを判断することはできません。
優良ブリーダーのほうが、産後の回復が早いためです。
良質な動物性たんぱく質や脂質を中心とした食事、十分な運動、ストレスの少ない環境、そして日々の健康管理。こうした積み重ねが、母犬の健康を支え、出産後の回復にもつながります。
実際に、健康管理が行き届いている母犬ほど回復が早く、結果として若いうちに繁殖を終え、第二の犬生をスタートできるケースも少なくありません。
一方で、法律の繁殖回数や年齢の基準の範囲内であっても、母犬の状態を見ずに繁殖を続ければ負担は大きくなります。
だからこそ、優良ブリーダーは「何か月空けるか」といった数字だけで繁殖計画を立てません。
体つきや毛艶、食欲、表情、回復の様子など、一頭一頭のコンディションを見ながら、その子に合った繁殖計画を立てています。
ご家族様に確認していただきたいのは、出産回数ではありません。
「この母犬は、どんな子ですか?」
「何が好きなんですか?」
そんな質問に、
「撫でられるのが大好きなんです。」
「お肉の中でも鶏もも肉が好きですね。」
と、自然に日々の様子を話せるブリーダーかどうか。母犬を「繁殖犬」としてではなく、一頭の犬として見ているか。それも、優良ブリーダーを見極める大切なポイントの一つです。

7 子犬は健康診断済みか
子犬の健康状態は、ブリーダーではなく獣医師が確認しているかを必ず確認しましょう。
見学の際は、「健康診断を受けていますか?」だけではなく、診断書を見せてもらうことが大切です。
健康診断は一般的に生後50日前後に行われ、視診・触診・聴診を中心に、心音や呼吸音、口腔内、関節、皮膚、目、耳などを確認します。
一方で、血液検査やレントゲン検査は、健康な子犬に実施するものではありません。
大切なのは、獣医師による健康診断を受け、その結果を診断書で説明してくれるかどうかです。
分からない項目があれば、その場で「これはどういう意味ですか?」と遠慮なく質問しましょう。誠実なブリーダーであれば、必要に応じて獣医師の説明も交えながら、丁寧に教えてくれるはずです。
お迎え後のトラブルで多い病気と対策
・先天性心疾患
…聴診の診断結果を確認
・膝蓋骨脱臼(パテラ)
…膝の診断結果を確認
・歯並び
…診断結果と実物の口腔内を確認
・皮膚病
…ただれや抜け毛がないかを確認
・耳ダニ
…耳の奥が黒くなっていないかを確認
・内部寄生虫
…親・子への投薬状況の確認、検便検査結果を確認
・ケンネルコフ
…親や子は咳をしていないか確認
これらをもっともよく確認するといいでしょう。
見極めるだけでは、防げないことがある
ここまで、優良ブリーダーを見極めるための7つの視点をご紹介しました。
しかし、改めてお伝えしたいことがあります。
それは、どれだけ慎重に見学をしても、最後はブリーダーが正直に説明してくれるかどうかに委ねられる場面があります。
それは、身体的な病気だけではありません。
- 何度教えてもトイレを覚えられない子。
- 音や環境の変化に極端に敏感な子。
- 人でいう発達障害のような特性を感じる子。
こうしたワンちゃんは、健康診断では「異常なし」と判断されることも少なくありません。
しかし、毎日そのワンちゃんと接しているブリーダーだからこそ、「この子にはこんな特徴がある」と気付いていることがあります。問題は、ハンデがあるワンちゃんの新しい家族を探せる場がほとんどないことです。
その結果、「伝えたら家族が見つからないかもしれない」という構造が生まれてしまいます。私たちが変えたいのは、この構造です。
ブリーダーが、不利になることを恐れず正直に説明できる環境をつくること。
その第一歩として、身体的なハンデがある子も、生活の中で特別な配慮が必要な子も、その個性を理解したうえで迎えたいと思ってくださるご家族様と出会える場をつくりました。
しかし、これだけでは十分ではありません。
子犬を迎えた後も、ご家族様とブリーダーとの信頼関係が続いていくことが大切だと考えています。
そこで、もう一つの仕組みをつくりました。
ハッシュタグで、家族がつながる
子犬を迎えると、その子の兄弟や親犬、その後の成長を見る機会はほとんどありません。しかし、兄弟だからこそ分かることがあります。
例えば、
「うちの子も同じ病気だった」
「うちも同じような性格だった」
「この対策で落ち着いたよ」
一人では気付けないことも、家族同士がつながることでもっと確実に早く対策できる。
そう考え、私たちは、兄弟犬・兄弟猫のご家族様同士が、SNSのハッシュタグを通じてつながれる仕組みをつくりました。
例えば「#ちろちゃんママ」というハッシュタグがあれば、同じ母犬から生まれた兄弟たちの成長を見ることができます。さらに父犬のハッシュタグまでたどれば、数十頭の兄弟姉妹とつながることもあります。

もちろん、参加するかどうかはご家族様の自由です。
しかし、このつながりには大きな意味があります。もし病気や生活上の特性があれば、家族同士で情報を共有し、早めに対策を考えることができます。
そしてもう一つ。
ブリーダーにとっても、「売ったら終わり」ではありません。
もし説明不足や不誠実な対応があれば、その情報は家族同士で共有されます。
だからこそ、私たちは「優良な人だけを集める」のではなく、誠実であり続けることが自然になる環境をつくりたいと考えています。
もちろん、堅い話ばかりではありません。兄弟犬や親戚犬の成長を見守ったり、「顔がそっくり!」と写真を見比べたり。ペットアカウントを通じて、新しい家族とのつながりを楽しんでいただけることも、この仕組みの魅力の一つです。
私たちは、子犬を「販売して終わり」ではなく、「家族になってからが始まり」だと考えています。

「誰から迎えるか」で、その後の15年は変わる
優良ブリーダーから迎えるということは、「可愛い子犬を迎えること」ではありません。
・困ったときに相談できる人がいること
・兄弟犬の近況が分かること
・不利なことまで正直に話してくれる人がいること
そんな安心が、子犬との10年、15年を支えてくれます。
迎えたあとも「元気ですか?」と連絡をくれたり、困ったら相談できたり、兄弟犬の成長を一緒に喜べたり。子犬だけではなく、その子を育てた人とのつながりも続いていく。
だから私たち「ペットの実家」は、ご家族様と誠実なブリーダーをつなぐ紹介サービスを運営しています。
子犬を探す場所ではなく、「この人から迎えたい」と思えるブリーダーと出会う場所。
それが、私たちの目指す、子犬との出会い方です。
ペットの実家について
・獣医師推奨の優良ブリーダー紹介サービス
・2026年9月でサービス開始から5周年
・口コミ全て満点評価 ★★★★★

