
私がね、以前ペットショップで働いていた時に
外国の方に注意されたことがあるんだ。
何々?


「子犬の性格は、あなたが決めることじゃない」って。
私が以前店長をしていたペットショップは、様々な外国の方が住んでいる立地にありました。イギリスやインド、オーストラリア、アメリカなど。多くの外国の方に、子犬を引き渡ししてきました。
そんな立地でも当然日本人は多く、日本人の多くに「この子はどんな性格ですか?」と必ず聞かれため、聞かれる前に「おとなしい子ですよ」「元気で明るい子です」といつも説明をしていました。
同じように、ある日外国の方に「この子の性格」について聞かれる前に説明をしていたところ、外国の方は驚いて
「そんなこと、どうでもよくないですか?」
「あなたが性格を決めるんですか?」
と言われてしまったことがありました・・・。
確かに、これまで接客をした外国の方々も、性格なんて全く気にしていませんでした。
※あくまでも個人の経験です。

子犬の性格は、誰が決める?
ペットショップ勤務中にお世話をしていた、おとなしいポメラニアン。その後家族ができ、半年後ペットショップへ里帰りしてもらったら、びっくりするほど活発で明るい子になっていた・・・ということはよくあります。
ポメラニアンの性格が変わった理由を考えてみると、子犬の性格を決めるのは関係性や環境だと感じます。
家族の性格に似てくることや、引き渡し前は新しい環境に慣れずに猫をかぶっていた可能性が考えられるのです。
ペットショップやブリーダーの元にいるうちは、群れの中の1頭。
その後、自分だけを愛してくれるかけがえのない家族ができるわけですから、少々わがままになったり、明るく元気に活発になることはよくあります。
性格が変わるのは自然なことで、人間でも同じ。
外国の方々は、主に犬種や性別、費用などを基準に家族を探していました。彼らにとってなにより重要だったのは
目の前のワンちゃんの全てを受け入れる
ことだったのかもしれません。
「私たち家族と、性格は合うだろうか?」という心配や確認は一切せず、「家族になろう!」「幸せにします!」と決断されたその姿は、引き渡す側にとって、安心できることでした。
それでも性格は気になるし、遺伝は侮れない
ペットの実家では優良なブリーダーを紹介していますが、多くのブリーダーを見てきて感じたことは、
『育てるブリーダーによってワンちゃんの性格が異なる』ということです。
活発なワンちゃんを好むブリーダーであれば、親も子も活発な傾向にあります。反対に穏やかな子を好むブリーダーであれば、親も子も穏やかなワンちゃんが多いです。
『長く家族に愛されるように』という想いを込めて、『親の性格』を重視してブリーディングするブリーダーもいます。
攻撃的で神経質な子は親にはしないということですね。

ペットショップではそれができない。
そして神経質にならないように、幼い頃から大地を踏ませて様々な場所に連れて経験させ、雷の音や掃除機の音を聞かせているブリーダーもいます。
子犬の時期にどんな経験をしたか・どのように育てたかはとても重要で、懐っこさや他のワンちゃんをどれだけ受け入れられるかが決まってきます。
この時期は社会化期と呼ばれますが、ペットショップのショーケースで家族を長い時間待っていると、ワンちゃんの心の部分が育まれません。
子犬の性格も大切ですが、子犬を選ぶ前に、親の性格や、親もどのように過ごしてきたかを確認してみてはいかがでしょうか?

犬種の特性も大事
ここまで子犬の性格の捉え方や遺伝について解説してきました。しかし、犬種の特性を理解することも非常に重要です。
現在、世界には非公認犬種を含めて700〜800の犬種があるといわれています。その中で、純血犬種を管轄している国際畜犬連盟では、犬種を10のグループに分けています。このグループごとに持つ固有の特性は無視できません。
お迎えする犬種がどんな特性で、どんなグループに所属しているのか、ここを理解することも大切なのです!
犬種の10のグループ(世界畜犬連盟 FCI10グループ)
1G:牧羊犬・牧畜犬
家畜の群れを誘導・保護する犬・・・家畜を守るという大切な役割があったため警戒心が強い傾向に。運動はかかせません。
代表例:ウェルシュ・コーギー・カーディガン、シェットランド・シープドッグ、ボーダー・コリー

ペットの実家では、ママの過ごす日常も大切にしています。
2G:使役犬
番犬、警護、作業をする犬・・・人のために働いてきた。警戒心は強い一方、飼い主さんに従順でとても賢い。一貫性のある躾が大切。
代表例:ドーベルマン、ブルドック、ミニチュア・ピンシャー、バーニーズ・マウンテン・ドッグ

ペットの実家では、兄妹家族を繋げる仕組みもあります。
3G:テリア
穴の中に住むキツネなど小型獣用の猟犬・・・小動物を狩るために改良された。活発な犬種のため、運動量の確保が大切。頑固な一面も。
代表例:ジャック・ラッセル・テリア、ヨークシャー・テリア、日本テリア

ペットの実家では、大地に足を付き走りまれる子犬が多い。
4G:ダックスフンド
地面の穴に住むアナグマや兎用の猟犬・・・地上及び地下のためのハンティング・ドッグ。友好的で、落ち着きがあり、怖がりでも、攻撃的でもない。犬種:ダックスフンド(スタンダード・ミニチュア・カニンヘン)

ヘルニアになったダックスが0の血統である。
5G:原始的な犬・スピッツ
日本犬を含む、スピッツ(尖ったの意)系の犬・・・遺伝子的にオオカミに近く、群れのリーダーに対して忠実に従う傾向に。警戒心が強く、自立心は旺盛。
代表例:柴、甲斐、秋田、サモエド、スピッツ、ポメラニアン

現在登録されている年間約3万頭の父系をたどると、
たった1頭にたどり着くと言われているほど、管理されてきた血統が柴犬だ。
6G:嗅覚ハウンド
大きな吠声と優れた嗅覚で獲物を追う獣猟犬・・・獲物を捕獲するための優れた嗅覚がある。持続力があり、運動量は多い。嗅覚を刺激するおもちゃや遊びを取り入れよう。
代表例:ダルメシアン、バセット・ハウンド、ビーグル

7G:ポインター・セター
獲物を探し出し、その位置を静かに示す猟犬・・・鳥猟犬としての高い能力を持つ。エネルギッシュで知的、また非常に働き者。指示に従う能力が高いため、子犬の頃からの適切な社会化とトレーニングは不可欠。
犬種例:ワイマラナー、アイリッシュ・セター、ブリタニー・スパニエル
8G:7グループ以外の鳥猟犬
7グループ以外の鳥猟犬・・・鳥を回収するレトリーバー、水の中での作業が得意なウォーター・ドッグなどが含まれる。非常に優れた鳥猟犬であると同時に、家庭犬としても優れた性格を持つ。
犬種例:ラブラドールレトリーバー、ゴールデンレトリーバー、アメリカンコッカースパニエル、ポーチュギ-ズ・ウォーター・ドッグ
9G:愛玩犬
家庭犬、伴侶や愛玩目的の犬・・・人気犬種の多くは9Gに属し、可愛がられることを好む犬種。貴族に愛されてきた犬種や、猟犬だった犬種もいる。
犬種例:チワワ、プードル、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル、シー・ズー、チャイニーズ・クレステッド・ドッグ、パグ、マルチーズ、フレンチ・ブルドック
10G:視覚ハウンド
優れた視覚と走力で獲物を追跡捕獲する犬・・・別名「サイトハウンド」。他犬種より視野が広く、速く走ることができる筋肉質でスレンダーなボティ。動くものを見ると追いかけて捕まえる習性があるため、小型な動物との接触は要注意。
犬種例:イタリアン・グレーハウンド、ウィペット、ボルゾイ、サルーキー

親子で過ごす
本能ごと愛せるか?
ここまで、犬種をグループ訳にして解説してきました。ポメラニアンが原始的な犬と同じグループに属していたり、ダックスはダックスだけのグループがあったりと、意外だった一面もあったと思います。
ワンちゃんにはそれぞれ役割があり、その役割を担いたいという本能があります。その本能ごと愛せるか、お迎え前に確認することもひとつの愛ではないでしょうか。
